日本でよく使う EPSG コード 一覧
2026年時点の重要ポイント:
2025年から国土地理院の測地成果は「測地成果2024(JGD2024)」へ移行しています。
ただし、2026年8月時点ではJGD2024に対応するEPSGコードはまだ定められていません。
そのため、一部のGeoTIFF等では当面JGD2011のEPSGコードが入る扱いがあります。
「EPSGが6668だから必ず測地成果2011」と早合点しない方が安全です。
1. 経緯度(地理)座標系
| 区分 | 名称 | EPSG | 主な用途・備考 |
|---|---|---|---|
| 世界標準(地理) | WGS 84(緯度・経度) | 4326 | GNSS/GPSや一般的な位置情報交換でよく使う。単位は「度」。 |
| Web地図(投影) | WGS 84 / Pseudo-Mercator (Web Mercator) |
3857 | Google Maps、OSM、Webタイル等の表示に広く使用。単位はm。ただし精密な距離・面積計算には不向き。 |
| 日本・最新成果 | JGD2024 (測地成果2024) |
未設定 2026年8月時点 |
2025年からの最新測地成果。EPSGコードは未制定のため、データ仕様・メタデータ・作成年次を併せて確認する。 |
| 日本測地系2011 | JGD2011(緯度・経度) | 6668 | QGIS等で現在も非常によく使うCRS。平面直角座標系は下表の6669~6687。 |
| 日本測地系2000 | JGD2000(緯度・経度) | 4612 | 2002年以降の旧成果で多い。古い公共測量成果・SHP等で現在も見かける。 |
| 旧日本測地系 | Tokyo Datum | 4301 | 2002年以前の資料で要注意。JGD系とそのまま重ねると大きくずれる場合がある。 |
2. 平面直角座標系(Gauss–Krüger 投影)
公共測量・設計・GIS実務では、緯度経度よりもこちらを使うことが多いです。 距離・面積をm単位で扱いやすいのが利点です。 なお、測地成果2024でも19系という仕組みや原点・投影法そのものは変わりません。
| 系 (ローマ数字) |
系 (数字) |
中央経線 | JGD2011 EPSG |
JGD2000 EPSG |
適用都道府県(概要) |
|---|---|---|---|---|---|
| I | 1 | 129°30′E | 6669 | 2443 | 長崎、鹿児島西部 |
| II | 2 | 131°00′E | 6670 | 2444 | 福岡・佐賀・熊本・大分・宮崎、鹿児島東部 |
| III | 3 | 132°10′E | 6671 | 2445 | 山口・島根・広島 |
| IV | 4 | 133°30′E | 6672 | 2446 | 香川・愛媛・徳島・高知 |
| V | 5 | 134°20′E | 6673 | 2447 | 兵庫・鳥取・岡山 |
| VI | 6 | 136°00′E | 6674 | 2448 | 京都・大阪・福井・滋賀・三重・奈良・和歌山 |
| VII | 7 | 137°10′E | 6675 | 2449 | 石川・富山・岐阜・愛知 |
| VIII | 8 | 138°30′E | 6676 | 2450 | 新潟・長野・山梨・静岡 |
| IX | 9 | 139°50′E | 6677 | 2451 | 東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬・福島 |
| X | 10 | 140°50′E | 6678 | 2452 | 青森・秋田・山形・岩手・宮城 |
| XI | 11 | 140°15′E | 6679 | 2453 | 北海道南西部 |
| XII | 12 | 142°15′E | 6680 | 2454 | 北海道中部 |
| XIII | 13 | 144°15′E | 6681 | 2455 | 北海道東部 |
| XIV | 14 | 142°00′E | 6682 | 2456 | 東京都の島しょ部の一部 |
| XV | 15 | 127°30′E | 6683 | 2457 | 沖縄本島周辺 |
| XVI | 16 | 124°00′E | 6684 | 2458 | 宮古・八重山周辺 |
| XVII | 17 | 131°00′E | 6685 | 2459 | 大東諸島 |
| XVIII | 18 | 136°00′E | 6686 | 2460 | 東京都の島しょ部の一部 |
| XIX | 19 | 154°00′E | 6687 | 2461 | 東京都の島しょ部の一部 |
3. よく使う地域だけ覚えるなら
石川・富山・岐阜・愛知
平面直角座標系 VII系(7系)
JGD2011: EPSG 6675
中央経線 137°10′E
JGD2011: EPSG 6675
中央経線 137°10′E
東京・神奈川・千葉・関東
平面直角座標系 IX系(9系)
JGD2011: EPSG 6677
中央経線 139°50′E
JGD2011: EPSG 6677
中央経線 139°50′E
福井・滋賀・京都・大阪など
平面直角座標系 VI系(6系)
JGD2011: EPSG 6674
中央経線 136°00′E
JGD2011: EPSG 6674
中央経線 136°00′E
4. QGISで特にハマる「座標系あるある」
① 「CRSを設定」と「再投影」は別物
QGISでレイヤのCRSを変更しただけでは、座標値そのものは変換されません。 CRS情報が欠けているデータに「これは6675です」と正しくラベルを付けるのがCRS設定。 実際に4326→6675などへ座標値を変えるのが再投影です。 間違ったCRSを設定してから再投影すると、さらにおかしくなるので注意。
QGISでレイヤのCRSを変更しただけでは、座標値そのものは変換されません。 CRS情報が欠けているデータに「これは6675です」と正しくラベルを付けるのがCRS設定。 実際に4326→6675などへ座標値を変えるのが再投影です。 間違ったCRSを設定してから再投影すると、さらにおかしくなるので注意。
② 日本の測量座標は「X=北、Y=東」
ここはGIS経験者ほど引っかかります。 日本の平面直角座標系では、X軸が北方向、Y軸が東方向です。 一方、一般的なGISや表計算では「X=東西、Y=南北」と考えることが多いため、 CSVのXYを読み込むときに逆にすると全く違う場所へ飛びます。
ここはGIS経験者ほど引っかかります。 日本の平面直角座標系では、X軸が北方向、Y軸が東方向です。 一方、一般的なGISや表計算では「X=東西、Y=南北」と考えることが多いため、 CSVのXYを読み込むときに逆にすると全く違う場所へ飛びます。
③ EPSG:3857は「見るため」、6675等は「測るため」
Web Mercatorは背景地図表示には便利ですが、場所によって縮尺が変わります。 面積・距離・バッファ・土砂災害区域の幾何計算などは、 原則として対象地域の平面直角座標系で行う方が安全です。
Web Mercatorは背景地図表示には便利ですが、場所によって縮尺が変わります。 面積・距離・バッファ・土砂災害区域の幾何計算などは、 原則として対象地域の平面直角座標系で行う方が安全です。
④ XYが合っていても「高さ」は別問題
EPSGコードが正しくても、Z値が「標高」なのか「楕円体高」なのかで高さは一致しません。 GNSS、DEM、点群、測量成果を混ぜるときは、水平座標系だけでなく高さの基準も確認します。
EPSGコードが正しくても、Z値が「標高」なのか「楕円体高」なのかで高さは一致しません。 GNSS、DEM、点群、測量成果を混ぜるときは、水平座標系だけでなく高さの基準も確認します。
5. 座標値を見るだけでCRSを推測する小ワザ
CRSが不明なCSVや古い成果を受け取ったとき、座標値の桁を見るだけでもかなり絞れます。
| 座標値の例 | 疑う座標系 | 見分け方 |
|---|---|---|
136.7, 36.5 |
経緯度 | 日本なら経度120~150台、緯度20~46台。EPSG:4326、6668などを候補に。 |
-50,000, 80,000など |
平面直角座標系 | 0m原点なので負値も普通に出る。対象県と系番号をまず確認。 |
15,000,000, 4,000,000前後 |
Web Mercator | EPSG:3857でよく見る桁。Web地図・XYZタイル由来を疑う。 |
500,000, 4,000,000前後 |
UTM系 | 東距に500,000mのfalse eastingを持つため、この辺りの桁になりやすい。 |
※これはあくまで「当たりをつける」方法です。最終判断はメタデータ、測量成果、作成機関、既知点との重ね合わせで行います。
6. UTMも覚えておくと便利
全国規模の解析、衛星画像、点群、海外ソフトではUTMが出てくることがあります。 JGD2011のUTMは次のEPSGコードです。
| UTM Zone | 経度帯の目安 | JGD2011 EPSG |
|---|---|---|
| 51N | 120°E~126°E | 6688 |
| 52N | 126°E~132°E | 6689 |
| 53N | 132°E~138°E | 6690 |
| 54N | 138°E~144°E | 6691 |
| 55N | 144°E~150°E | 6692 |
7. 「地図がずれた!」ときの5秒チェック
| 症状 | まず疑うこと |
|---|---|
| 日本のはずが海上・海外へ飛ぶ | 元データのCRSを間違えて「設定」していないか。4326と平面直角の取り違えも確認。 |
| 大きく位置がずれる | Tokyo Datum / JGD2000 / JGD2011の混在、または系番号違い。 |
| XとYを入れ替えると合う | 測量座標のX=北・Y=東と、GISのXY慣習を混同している可能性。 |
| 背景地図とは合うのに距離・面積が変 | EPSG:3857のまま計測していないか。 |
| 平面位置は合うが標高だけ違う | 標高と楕円体高、ジオイドモデル、標高改定時期を確認。 |
8. 実務での使い分け早見表
- スマホ/GPSの緯度経度・GeoJSON交換 → EPSG:4326 が多い
- Web背景地図・XYZタイル → EPSG:3857
- 公共測量・区域図・距離/面積計算 → 対象地域の平面直角座標系
- 古い公共測量成果 → JGD2000(2443~2461)を要確認
- 2002年以前の成果 → Tokyo Datum の可能性を確認
- 衛星・広域解析 → UTMが便利な場合あり
- 2025年以降の国土地理院成果 → 「測地成果2024」の記載を確認。EPSGだけで判断しない
覚えておくと便利:
「CRSが分からないデータ」は、いきなり再投影しないこと。 まず正しい元CRSを特定 → CRSを設定 → 必要なら再投影の順です。 この順番を間違えると、元に戻すのが面倒になります。
「CRSが分からないデータ」は、いきなり再投影しないこと。 まず正しい元CRSを特定 → CRSを設定 → 必要なら再投影の順です。 この順番を間違えると、元に戻すのが面倒になります。
参考:国土地理院「平面直角座標系」「日本の測地系」「測地成果2024関連情報」。 EPSGコードはEPSG Geodetic Parameter Datasetを参照。
コメント
コメントを投稿