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FreeCADの土木分野活用ガイド(TIN・点群ワークフロー/画像付き)

FreeCADの土木分野活用ガイド

TIN・点群などの測量データの取り込み実例と、AutoCAD Civil 3Dとの使い分け。

1. FreeCADとは?

ライセンスオープンソース・完全無料・商用利用可
対応OSWindows / macOS / Linux
方式パラメトリック3D CAD(履歴と寸法を後から編集)
拡張性Pythonマクロやアドオンで自動化・機能拡張
主なフォーマットSTL・STEP・IGES・DXF・OBJ などの入出力に対応

2. 土木分野での主要活用シーン

NoシーンFreeCADで出来ること
構造物3Dモデリングスケッチ → 押し出し → フィレット等。擁壁・カルバート・橋脚などを寸法変更にも強く作成可能。
地形 × 構造物の干渉チェック外部作成の地形メッシュを取り込み、構造物を配置して干渉や勾配を可視化。
数量・体積の概算体積/面積の取得により、コンクリート量や土工量の概算に活用。
2D図面化TechDrawで平面・断面を生成し、DXFで他CADと連携。
2D地形 → 3D化等高線/DEMから地形メッシュを生成してモデル化(詳細は後述)。

3. 2D地形を3D化する2つの王道パターン

A. 等高線 → 3D地形

Z値付き等高線(DXF等)をFreeCADに取り込み、LoftSurfaceで立体化します。

  1. QGISで等高線を作成(Z付き)
  2. DXFとして出力
  3. FreeCADで読み込み
  4. Loft/Surfaceで地形面を生成

B. DEM → メッシュ地形

ラスタ標高(GeoTIFF)をメッシュ化(STL/OBJ)してFreeCADに取り込みます。

  1. QGISでDEMを読み込み
  2. TIN/メッシュに変換し、STL/OBJで出力
  3. FreeCADでメッシュを読み込み、必要に応じてShape(ソリッド)化
効果: 現地の地形に沿った構造物配置、干渉確認、説明資料の説得力向上に直結。

4. TIN地形 & 点群データ 実例ワークフロー

4-1. TIN地形(等高線/DEM)をFreeCADへ

  1. QGIS: DEMを取り込み →「ラスタ → 3Dメッシュ(TIN)」へ変換、またはZ付き等高線を生成してDXF保存。
  2. MeshLab / Blender: 必要ならメッシュの軽量化・穴埋め → STL/OBJへエクスポート。
  3. FreeCAD: MeshワークベンチでSTL/OBJを読み込み。必要に応じて「Create shape from mesh」でPart化し、構造物モデルと合成して干渉や体積差を確認。

4-2. 点群(.las/.laz)をFreeCADへ

  1. CloudCompare: 点群をインポートし、不要点の除去・フィルタリングを実施。「Poisson Surface Reconstruction」等でメッシュ化。
  2. MeshLab: メッシュを軽量化し、STL/OBJで書き出し。
  3. FreeCAD: Meshワークベンチで読み込み、範囲の切り出しや構造物の位置合わせ、可視化に利用。
注意: FreeCADは点群の直接読み込みに未対応です。CloudCompare / MeshLabでメッシュ化してから取り込みます。
断面自動抽出・縦横断・土量計算などの土工機能はAutoCAD Civil 3Dの守備範囲です。

5. 画像ギャラリー(差し込み例)

地形メッシュ例(DEMから生成したTINをSTL化しFreeCADで表示)
図1:地形メッシュ例(DEM → TIN/メッシュ → STL → FreeCAD表示)。
点群→メッシュ化の概略フロー 点群(.las / .laz) UAV / MMS / TLS CloudCompare フィルタ・間引き・面再構成 MeshLab 軽量化・穴埋め・STL/OBJ出力 FreeCAD メッシュ読込・位置合わせ・可視化
図2:点群 → メッシュ化 → FreeCAD活用の概略フロー。
地形上に配置した擁壁モデルの例
図3:地形上に配置した “砂防堰堤” モデルの例(干渉と勾配の視覚確認)。

6. FreeCADとAutoCAD Civil 3Dの比較

観点FreeCADAutoCAD Civil 3D
価格無料年額20万円超(サブスク)
地形/点群外部でメッシュ化後に取込点群直読・TIN生成・縦横断・土量計算が一気通貫
構造物3Dパラメトリックで柔軟部材・設計機能が豊富
図面TechDraw(DXF出力)JACIC/JH-CDS、CIM帳票等に対応
BIM/CIMIFC/STLなどで“持ち込み”レベル国交省CIM指針に準拠
自動化PythonマクロLISP / .NET / Dynamo 等
想定用途学習・検討・小規模設計・プレゼン本格土木設計・数量計算・発注図書作成

7. 使い分けシナリオ

ユースケース推奨ツール構成
初学者の3D CAD教育FreeCAD 単体
構造物形状の素案/住民説明資料FreeCAD + QGIS(地形)
点群/縦横断/土量を含む実施設計AutoCAD Civil 3D
点群の可視化+軽量な干渉検討CloudCompare → FreeCAD

8. まとめ

  • FreeCAD: 無料・パラメトリック・Python対応。構造物の形状検討、地形上の配置、教育・説明資料に最適。
  • TIN・点群: CloudCompare / MeshLab等でメッシュ化すればFreeCADで可視化・干渉確認が可能。
  • AutoCAD Civil 3D: 点群処理〜縦横断・土量計算・帳票出力まで実務要件に強い。
  • 併用の利点: 低コスト試作 → 高度設計へスムーズに移行。

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