石川県の建設・測量・地質・環境分析業界と能登復興需要を整理【2026年7月版】

石川県の建設・測量・地質・環境分析業界と能登復興需要を整理【2026年7月版】

記事作成・最終更新:2026年7月19日(日本時間) 財務データ:国土交通省 2026年7月9日更新 復旧・復興・人口情報:2026年7月19日までの公表資料を確認

石川県内の建設コンサルタント、地質調査会社、測量会社、建設会社、環境分析会社を、 国土交通省の登録、業界団体の会員名簿、法令上の登録、財務情報に分けて整理しました。 今回はさらに、協会別の売上高・利益・利益率ランキングと、 能登半島地震前後の県の投資的経費、今後増えそうな仕事までまとめています。

ダウンロード元のGoogleスプレッドシートは、2026年7月19日に作成・更新したものです。 リンクを知っている人が閲覧できる設定になっているため、上のボタンからExcel形式(.xlsx)で保存できます。

Excelに収録しているシート

ダウンロードファイルには、次のシートが入っています。 会社を1社1行で確認したい場合は「統合一覧」、 分析分野も含めて確認したい場合は「全分野統合_分析追加」が分かりやすいです。

シート名内容
概要分野別の会社数、整理方法、情報源、分析分野の件数をまとめたシート
統合一覧建設コンサル・地質・測量・協会所属を会社単位で1社1行に統合
測量協会石川県測量設計業協会の会員と財務情報
地質協会石川県地質調査業協会の会員と財務情報
建コン協会建設コンサルタンツ協会北陸支部の石川県関係会員
複数協会所属測量・地質・建コンの複数協会に所属する会社
協会名簿外_国交省登録国交省登録はあるが、今回照合した3協会名簿にはない会社
建設業協会石川県建設業協会の件数と、今後の経審データ整理方針
分析分類ガイド環境計量、作業環境、土壌汚染、温泉分析などの制度説明
環境計量証明_事業所石川県の環境計量証明事業者を事業所単位で整理
環境計量協会石川県環境計量協会の会員企業
作業環境測定石川県内の作業環境測定機関
土壌汚染調査土壌汚染対策法の指定調査機関
温泉成分分析温泉法に基づく石川県内の登録分析機関
環境分析_統合分析・環境調査関連機関を会社単位で統合
エオネックス分析詳細公開情報から確認した分析・調査分野の登録内容
全分野統合_分析追加建設・測量・地質・環境分析を1社・団体1行に統合
重要:各情報は同じ日付ではありません。国交省の財務データは2026年7月9日更新、 測量協会は2026年4月現在、環境計量証明事業者は2026年1月27日更新、 作業環境測定機関は2024年1月31日現在です。章ごとに基準日を明記しています。

1.情報源と基準日

情報源基準日使用した内容
国土交通省・建設関連業登録データ2026年7月9日更新建コン・地質・測量の登録と財務
石川県測量設計業協会2026年4月現在正会員43社
石川県地質調査業協会基準日記載なし/2026年7月19日確認正会員16社
建設コンサルタンツ協会北陸支部基準日記載なし/2026年7月19日確認石川県関係11社
石川県建設業協会基準日記載なし/2026年7月19日確認加盟207社
石川県・環境計量証明事業者2026年1月27日更新17事業所
石川労働局・作業環境測定機関2024年1月31日現在7機関
環境省・土壌汚染指定調査機関2026年6月30日現在石川県に事業所のある7機関
環境省・温泉登録分析機関2025年8月現在石川県内4機関
石川県当初予算2023~2026年度投資的経費と災害復旧事業
国交省・復旧復興見通し2026年6月末時点/7月15日公表今後の復旧・復興予定

記事中の「ランキング」は会社全体の売上高を使用しています。測量部門、地質部門、建設コンサル部門だけの売上ではありません。 決算日も会社ごとに異なるため、厳密な同一期間比較ではありません。

2.登録・協会・法定機関は別のもの

国交省登録
建設コンサルタント、地質調査業、測量業。財務情報あり。
業界団体
測量協会、地質調査業協会、建設コンサルタンツ協会など。
法令上の登録
環境計量証明、作業環境測定、土壌汚染、温泉分析など。
会社の主力事業
登録を持っていても、その分野が売上の中心とは限らない。

例えば、工事会社が測量業登録を持つケースや、地質会社が測量・建設コンサル登録を併せて持つケースがあります。 そのため、ランキング上位に見慣れない業種の会社が入る場合があります。 これは集計ミスではなく、その登録を持っている会社を会社全体の売上で並べているためです。

3.国交省3登録の会社数と重複

基準日:2026年7月9日更新
52建設コンサルタント登録
25地質調査業登録
107測量業登録
127会社名を統合した会社数
石川県に主たる営業所がある登録業者数0社28社55社82社110社測量業107社建設コンサルタント52社地質調査業25社国土交通省、2026年7月9日更新

登録件数を単純に足すと184件ですが、会社名を統合すると127社です。 複数登録を持つ会社が多いため、業種別一覧を別々に見ると同じ会社が繰り返し登場します。

3登録の組み合わせ別会社数0社18社35社52社70社測量のみ68社建コン+測量24社3分野すべて14社建コンのみ10社地質のみ6社建コン+地質4社地質+測量1社会社名を正規化して集計

4.協会名簿で見た業界構造

確認日:2026年7月19日。ただし測量協会は2026年4月現在。
団体・区分会社・機関数見方
石川県建設業協会207社工事会社が中心。土木、建築、専門工事を含む
石川県測量設計業協会正会員43社県内の測量・設計会社を把握しやすい
石川県地質調査業協会正会員16社地質調査、ボーリング、さく井、地盤分野
建設コンサルタンツ協会北陸支部・石川県関係11社本社・支店・営業所を抽出
石川県環境計量協会9社水質・大気・土壌、騒音、振動など

協会は任意加入なので、国交省登録会社がすべて加盟しているわけではありません。 県外本社の会社が石川県内支店として協会に入っている場合もあります。

5.協会別ランキング:売上高・利益・利益率

今回の分類方法: ランキングは、石川県地質調査業協会、石川県測量設計業協会、 建設コンサルタンツ協会北陸支部の石川県関係会員だけを対象としました。 同じ会社が複数ランキングへ重複しないよう、 建コン協会の会員は地質・測量ランキングから除外し、 さらに地質調査業協会の会員は測量ランキングから除外しています。

建コン協会ランキング

財務情報更新:2026年7月9日 / 石川県関係会員11社のうち、国交省データで財務を確認できた7社を掲載
建コン協会ランキング・売上高ランキング0.0億円12.5億円25.0億円37.5億円50.0億円日本海コンサルタント49.49億円国土開発センター48.99億円東洋設計47.95億円ナチュラルコンサルタント15.95億円アルスコンサルタンツ11.47億円五大開発11.18億円プラネット・コンサルタント6.09億円会社全体の売上高。各社の決算期は表を参照
建コン協会ランキング・営業利益率と純利益率営業利益率純利益率0.0%7.5%15.0%22.5%30.0%日本海コンサルタント17.2%12.1%国土開発センター7.7%6.0%東洋設計14.2%5.1%ナチュラルコンサルタント28.0%26.4%アルスコンサルタンツ22.1%14.8%五大開発23.0%15.3%プラネット・コンサルタント17.2%7.1%売上高ランキング掲載会社を比較
順位会社名売上高営業利益経常利益純利益営業利益率経常利益率純利益率自己資本比率決算日
1日本海コンサルタント49.49億円8.52億円8.67億円5.97億円17.2%17.5%12.1%53.1%2025-09-30
2国土開発センター48.99億円3.76億円4.04億円2.94億円7.7%8.2%6.0%55.9%2025-09-30
3東洋設計47.95億円6.82億円6.68億円2.45億円14.2%13.9%5.1%21.8%2026-03-31
4ナチュラルコンサルタント15.95億円4.47億円6.22億円4.21億円28.0%39.0%26.4%67.9%2025-09-30
5アルスコンサルタンツ11.47億円2.54億円2.55億円1.70億円22.1%22.3%14.8%41.9%2025-09-30
6五大開発11.18億円2.57億円2.57億円1.71億円23.0%23.0%15.3%69.8%2025-09-30
7プラネット・コンサルタント6.09億円1.05億円1.05億円0.43億円17.2%17.3%7.1%52.3%2025-06-30
建コン協会の石川県関係会員は11社ですが、 エース、スリーエスコンサルタンツ、三協技術、基礎建設コンサルタントは、 今回使用した石川県主たる営業所の財務データでは数値を取得できなかったため順位を付けていません。

地質協会ランキング(建コン協会会員を除外)

財務情報更新:2026年7月9日 / 地質協会会員から建コン協会会員を除外し、財務確認できた上位10社を掲載
地質協会ランキング(建コン協会会員を除外)・売上高ランキング0.0億円12.5億円25.0億円37.5億円50.0億円ホクコク地水41.28億円エオネックス37.84億円能登建設24.24億円のとさく12.76億円中部地質10.71億円カナイワ10.29億円日研技術6.54億円中部地下開発6.53億円興信工業6.18億円古一地下開発5.90億円会社全体の売上高。各社の決算期は表を参照
地質協会ランキング(建コン協会会員を除外)・営業利益率と純利益率営業利益率純利益率0.0%7.5%15.0%22.5%30.0%ホクコク地水21.4%14.5%エオネックス8.1%7.9%能登建設12.8%8.7%のとさく28.1%19.6%中部地質23.3%15.1%カナイワ3.3%1.5%日研技術22.0%14.3%中部地下開発15.8%13.3%興信工業18.0%13.2%古一地下開発17.8%12.2%売上高ランキング掲載会社を比較
順位会社名売上高営業利益経常利益純利益営業利益率経常利益率純利益率自己資本比率決算日
1ホクコク地水41.28億円8.82億円9.01億円5.99億円21.4%21.8%14.5%78.4%2025-06-30
2エオネックス37.84億円3.08億円3.76億円3.00億円8.1%9.9%7.9%22.5%2026-03-31
3能登建設24.24億円3.10億円3.26億円2.12億円12.8%13.5%8.7%44.9%2025-05-31
4のとさく12.76億円3.58億円3.73億円2.51億円28.1%29.2%19.6%58.7%2025-05-31
5中部地質10.71億円2.49億円2.49億円1.62億円23.3%23.3%15.1%27.1%2025-06-20
6カナイワ10.29億円0.33億円0.23億円0.16億円3.3%2.2%1.5%21.4%2025-08-31
7日研技術6.54億円1.44億円1.45億円0.94億円22.0%22.2%14.3%39.0%2025-05-31
8中部地下開発6.53億円1.03億円1.06億円0.87億円15.8%16.2%13.3%22.8%2025-07-31
9興信工業6.18億円1.11億円1.14億円0.82億円18.0%18.5%13.2%60.4%2025-03-01
10古一地下開発5.90億円1.05億円1.05億円0.72億円17.8%17.9%12.2%72.7%2025-09-30

測量協会ランキング(建コン・地質協会会員を除外)

財務情報更新:2026年7月9日 / 測量協会会員から建コン協会会員と地質調査業協会会員を除外し、売上高上位10社を掲載
測量協会ランキング(建コン・地質協会会員を除外)・売上高ランキング0.0億円5.0億円10.0億円15.0億円20.0億円利水社12.53億円地域みらい10.26億円鳥越9.82億円日本海航測8.55億円羽咋測量設計8.32億円北日本ジオグラフィ5.36億円太陽測地社5.09億円テクノマップ4.68億円石川都市開発4.66億円2.56億円会社全体の売上高。各社の決算期は表を参照
測量協会ランキング(建コン・地質協会会員を除外)・営業利益率と純利益率営業利益率純利益率0.0%12.5%25.0%37.5%50.0%利水社12.9%9.0%地域みらい31.7%5.9%鳥越47.2%30.1%日本海航測17.9%12.2%羽咋測量設計43.2%27.7%北日本ジオグラフィ18.5%15.5%太陽測地社30.5%21.9%テクノマップ37.2%26.4%石川都市開発35.0%25.4%35.5%24.5%売上高ランキング掲載会社を比較
順位会社名売上高営業利益経常利益純利益営業利益率経常利益率純利益率自己資本比率決算日
1利水社12.53億円1.62億円1.63億円1.13億円12.9%13.1%9.0%45.1%2026-03-31
2地域みらい10.26億円3.25億円3.28億円0.61億円31.7%32.0%5.9%24.3%2025-10-31
3鳥越9.82億円4.63億円4.71億円2.96億円47.2%48.0%30.1%49.9%2026-03-31
4日本海航測8.55億円1.53億円1.55億円1.04億円17.9%18.1%12.2%57.3%2025-09-30
5羽咋測量設計8.32億円3.60億円3.60億円2.30億円43.2%43.2%27.7%67.4%2025-06-30
6北日本ジオグラフィ5.36億円0.99億円1.15億円0.83億円18.5%21.4%15.5%78.1%2025-08-31
7太陽測地社5.09億円1.55億円1.62億円1.11億円30.5%31.7%21.9%85.6%2025-06-30
8テクノマップ4.68億円1.74億円1.76億円1.24億円37.2%37.6%26.4%78.4%2025-04-30
9石川都市開発4.66億円1.63億円1.63億円1.18億円35.0%35.0%25.4%84.6%2026-03-31
102.56億円0.91億円0.91億円0.63億円35.5%35.5%24.5%38.0%2025-05-31
会社全体の売上高・利益を使用しています。 協会に所属していても、売上のすべてが建設コンサル、地質調査、測量の各業務によるものではありません。

3業種の業務内容

同じ「建設関連業」でも、設計を中心とする建設コンサルタント、 地下を調べる地質調査、位置と形を測る測量では、必要な人員・機械・利益構造が異なります。 そのため、売上高だけでなく、業務の性格を理解して財務を見る必要があります。

分野主な業務成果・納品物財務を見る際の特徴
建設コンサルタント道路・河川・砂防・橋梁・上下水道などの調査、計画、解析、設計、維持管理計画、発注者支援設計図、数量計算、報告書、解析結果、事業計画、点検・補修計画技術者の稼働率、受注単価、外注管理が利益率に影響。大型案件を扱う会社は売上規模が大きくなりやすい
地質調査ボーリング、地表地質踏査、原位置試験、室内試験、地下水・地すべり・斜面調査、地盤解析柱状図、コア写真、地質断面図、試験結果、地盤モデル、対策工検討資料機械・車両・資材・現場人員が必要。天候、地形、外注費、工期による変動を受けやすい
測量基準点・地形・路線・用地・河川測量、UAV、レーザー、点群、写真測量、GIS・台帳整備座標、地形図、縦横断図、面積計算、点群、三次元モデル、GISデータ小規模企業でも高利益率・高自己資本になりやすい一方、単年度案件や代表者依存の影響が出やすい

独自の総合ランキングの計算方法

これは公式ランキングや信用格付けではありません。 各協会内での相対順位を100点満点に換算しています。 協会ごとに対象社数が違うため、別の協会の点数同士は直接比較できません。 また、会社全体の1期分の決算であり、各業務部門だけの成績ではありません。 復興需要や大型案件の計上時期による一時的な変動を見極めるには、3~5期分の推移確認が必要です。
評価項目配点評価内容
売上高15点会社全体の事業規模
営業利益10点本業で生み出した利益額
営業利益率15点本業の採算性
純利益率15点最終利益が売上に対してどれだけ残ったか
自己資本比率30点借入依存の低さ、不況・受注減への耐久力
利益残存率15点営業利益のうち純利益として残った割合。100%を上限

重複を避けるため、建コン協会会員は地質・測量の総合ランキングから除外し、 地質調査業協会会員は測量ランキングから除外しています。 財務データが確認できない会社は順位を付けていません。

建コン協会の業務と総合ランキング

建設コンサルタントは、公共施設を実際に施工する前段階で、調査・計画・解析・設計を行う技術サービス業です。災害復旧では、道路、河川、砂防、橋梁、上下水道の復旧設計や施工段階の技術支援が中心になります。

対象:石川県関係会員11社のうち、財務を確認できた7社 / 財務情報:2026年7月9日更新
建コン協会・総合点上位7社0点25点50点75点100点ナチュラルコンサルタント84.2点五大開発65.8点日本海コンサルタント65.0点国土開発センター52.5点アルスコンサルタンツ39.2点プラネット・コンサルタント22.5点東洋設計20.8点
順位会社名総合点売上高営業利益率純利益率自己資本比率利益残存率評価タイプ決算日
1ナチュラルコンサルタント84.215.95億円28.0%26.4%67.9%94.1%高収益・高安全性2025-09-30
2五大開発65.811.18億円23.0%15.3%69.8%66.7%高収益・高安全性2025-09-30
3日本海コンサルタント65.049.49億円17.2%12.1%53.1%70.1%バランス型2025-09-30
4国土開発センター52.548.99億円7.7%6.0%55.9%78.2%バランス型2025-09-30
5アルスコンサルタンツ39.211.47億円22.1%14.8%41.9%66.9%高収益・財務確認型2025-09-30
6プラネット・コンサルタント22.56.09億円17.2%7.1%52.3%41.5%バランス型2025-06-30
7東洋設計20.847.95億円14.2%5.1%21.8%36.0%バランス型2026-03-31

上位会社の見方

  1. 1位 ナチュラルコンサルタント:売上15.95億円、営業利益率28.0%、純利益率26.4%、自己資本比率67.9%で、今回の配点では最もバランスが良い。
  2. 2位 五大開発:営業利益率23.0%に加え、自己資本比率69.8%。収益性と財務安全性の両方が高い。
  3. 3位 日本海コンサルタント:売上49.49億円と規模が大きく、営業利益率17.2%。大規模案件への対応力が総合点を押し上げた。

地質協会の業務と総合ランキング

地質調査は、地面の下の地質・地盤・地下水を調べ、構造物や斜面の安全性を判断する業務です。能登の復旧では、道路斜面、地すべり、盛土、橋梁基礎、砂防、宅地のボーリングや地盤解析が重要になります。

対象:地質協会会員のうち、建コン協会会員を除き、財務を確認できた14社 / 財務情報:2026年7月9日更新
地質協会・総合点上位10社0点25点50点75点100点ホクコク地水83.8点のとさく83.1点興信工業63.1点古一地下開発60.0点中部地質58.8点日研技術58.1点能登建設58.1点北海技建53.8点エオネックス49.2点中部地下開発46.5点
順位会社名総合点売上高営業利益率純利益率自己資本比率利益残存率評価タイプ決算日
1ホクコク地水83.841.28億円21.4%14.5%78.4%67.9%高収益・高安全性2025-06-30
2のとさく83.112.76億円28.1%19.6%58.7%69.9%高収益・高安全性2025-05-31
3興信工業63.16.18億円18.0%13.2%60.4%73.7%安定財務型2025-03-01
4古一地下開発60.05.90億円17.8%12.2%72.7%68.5%安定財務型2025-09-30
5中部地質58.810.71億円23.3%15.1%27.1%65.0%高収益・財務確認型2025-06-20
6日研技術58.16.54億円22.0%14.3%39.0%65.2%高収益・財務確認型2025-05-31
7能登建設58.124.24億円12.8%8.7%44.9%68.4%バランス型2025-05-31
8北海技建53.82.19億円24.5%17.0%23.4%69.3%高収益・財務確認型2025-04-30
9エオネックス49.237.84億円8.1%7.9%22.5%97.6%バランス型2026-03-31
10中部地下開発46.56.53億円15.8%13.3%22.8%84.4%バランス型2025-07-31
11東亜鑿泉工業27.72.07億円-2.0%-1.1%71.5%0.0%赤字・財務耐久力確認2026-03-31
12カナイワ21.910.29億円3.3%1.5%21.4%46.3%収益力に注意2025-08-31
13国際地研18.11.16億円1.2%0.0%37.9%0.1%収益力に注意2025-03-31
14石川地質コンサルタンツ17.71.53億円18.4%5.5%9.1%30.1%バランス型2025-05-31

上位会社の見方

  1. 1位 ホクコク地水:売上41.28億円、営業利益率21.4%、純利益率14.5%、自己資本比率78.4%で、今回の配点では最もバランスが良い。
  2. 2位 のとさく:営業利益率28.1%、純利益率19.6%、自己資本比率58.7%。規模より採算性と安全性が評価された。
  3. 3位 興信工業:営業利益率18.0%、純利益率13.2%、自己資本比率60.4%。規模より採算性と安全性が評価された。
エオネックスの順位を見る際の注意: エオネックスは地質調査だけを行う専門会社ではなく、温泉開発・温泉施設運営、 環境分析、工事、設備、測量、建設コンサルタントなど複数の事業を行う総合事業型の会社です。 今回使用した売上高・利益は会社全体の決算であり、地質調査部門だけの採算を示すものではありません。 そのため、地質調査を中心とする専門会社と会社全体の営業利益率を単純比較すると、 エオネックスは不利に見える可能性があります。 一方で、複数事業を持つことは、特定分野の受注が減少した際に他部門で補えるという 事業分散上の強みもあります。今回の総合順位は、地質調査会社としての技術力や 地質部門単独の収益力を直接評価したものではありません。

測量協会の業務と総合ランキング

測量は、土地や構造物の位置・高さ・形状を座標化し、設計と施工の基礎を作る業務です。復旧現場では、被災状況測量、路線・河川・用地測量、UAV・レーザー点群、完成形の出来形管理、GIS台帳整備などがあります。

対象:測量協会会員のうち、建コン・地質協会会員を除き、財務を確認できた33社 / 財務情報:2026年7月9日更新
測量協会・総合点上位10社+利水社(売上規模参考)0点25点50点75点100点石川都市開発75.3点テクノマップ74.2点太陽測地社73.8点津田測量70.3点セントラル航業70.2点羽咋測量設計68.8点北日本ジオグラフィ68.6点稲垣測量66.1点森平測量64.2点鳥越63.0点利水社(総合18位)49.7点
順位会社名総合点売上高営業利益率純利益率自己資本比率利益残存率評価タイプ決算日
1石川都市開発75.34.66億円35.0%25.4%84.6%72.5%高収益・高安全性2026-03-31
2テクノマップ74.24.68億円37.2%26.4%78.4%71.0%高収益・高安全性2025-04-30
3太陽測地社73.85.09億円30.5%21.9%85.6%71.7%高収益・高安全性2025-06-30
4津田測量70.32.31億円56.3%36.6%74.5%65.1%高収益・高安全性2025-12-31
5セントラル航業70.21.29億円24.6%18.8%88.4%76.7%高収益・高安全性2025-06-30
6羽咋測量設計68.88.32億円43.2%27.7%67.4%64.0%高収益・高安全性2025-06-30
7北日本ジオグラフィ68.65.36億円18.5%15.5%78.1%83.6%安定財務型2025-08-31
8稲垣測量66.11.21億円39.6%24.1%87.9%60.8%高収益・高安全性2025-09-30
9森平測量64.20.95億円67.1%45.7%64.6%68.1%高収益・高安全性2025-12-31
10鳥越63.09.82億円47.2%30.1%49.9%63.9%高収益・財務確認型2026-03-31
18利水社49.712.53億円12.9%9.0%45.1%69.6%バランス型・売上規模1位2026-03-31
利水社を参考掲載: 利水社の総合順位は18位ですが、建コン協会・地質調査業協会との重複を除いた測量会社では、 売上高12.53億円で最大です。営業利益率12.9%、純利益率9.0%、 自己資本比率45.1%で、上位の高利益率・高自己資本型企業とは性格が異なります。 総合点だけでは見えにくい「測量会社としての受注規模」を示すため、 上位10社とあわせて常時表示しています。
測量協会の全33社ランキングを表示
順位会社名総合点売上高営業利益率純利益率自己資本比率利益残存率評価タイプ決算日
1石川都市開発75.34.66億円35.0%25.4%84.6%72.5%高収益・高安全性2026-03-31
2テクノマップ74.24.68億円37.2%26.4%78.4%71.0%高収益・高安全性2025-04-30
3太陽測地社73.85.09億円30.5%21.9%85.6%71.7%高収益・高安全性2025-06-30
4津田測量70.32.31億円56.3%36.6%74.5%65.1%高収益・高安全性2025-12-31
5セントラル航業70.21.29億円24.6%18.8%88.4%76.7%高収益・高安全性2025-06-30
6羽咋測量設計68.88.32億円43.2%27.7%67.4%64.0%高収益・高安全性2025-06-30
7北日本ジオグラフィ68.65.36億円18.5%15.5%78.1%83.6%安定財務型2025-08-31
8稲垣測量66.11.21億円39.6%24.1%87.9%60.8%高収益・高安全性2025-09-30
9森平測量64.20.95億円67.1%45.7%64.6%68.1%高収益・高安全性2025-12-31
10鳥越63.09.82億円47.2%30.1%49.9%63.9%高収益・財務確認型2026-03-31
11大扇地理61.60.92億円48.0%32.6%73.6%67.8%高収益・高安全性2025-12-31
12エービーコンサルタント57.81.29億円12.4%10.0%80.4%80.7%安定財務型2025-11-30
13武田測量設計事務所54.70.97億円50.3%36.0%40.8%71.5%高収益・財務確認型2025-12-31
14高山測量設計事務所54.52.46億円25.2%17.4%58.8%69.2%高収益・高安全性2025-08-31
15日本海航測52.38.55億円17.9%12.2%57.3%68.2%バランス型2025-09-30
16小畑設計事務所50.90.48億円7.6%10.6%86.4%100.0%安定財務型2026-03-31
1750.52.56億円35.5%24.5%38.0%69.0%高収益・財務確認型2025-05-31
18利水社49.712.53億円12.9%9.0%45.1%69.6%バランス型2026-03-31
19カホク測量設計48.31.62億円7.7%6.0%69.7%78.6%安定財務型2025-08-31
20日本海測量48.10.78億円5.7%4.4%97.3%78.4%安定財務型2025-06-30
21北陸開発設計45.30.78億円18.8%15.2%50.6%80.8%バランス型2025-05-31
22小松測量44.50.95億円8.0%7.2%60.9%90.3%安定財務型2026-03-31
23エーブルコンサルタンツ42.50.70億円11.2%9.4%60.5%84.0%安定財務型2025-12-31
24地域みらい41.710.26億円31.7%5.9%24.3%18.8%バランス型2025-10-31
25新開測量41.60.80億円5.7%7.4%61.5%100.0%安定財務型2025-09-30
26開発技研36.60.83億円22.2%14.9%44.1%66.9%高収益・財務確認型2026-03-31
27SAQLAS33.91.76億円5.0%4.4%39.6%87.2%バランス型2026-01-31
28俵設計32.60.66億円-18.8%-18.5%99.0%0.0%赤字・財務耐久力確認2026-01-31
29金城コンサルタント29.70.17億円21.2%17.4%-81.6%82.1%高収益・財務確認型2025-10-31
30生田測量28.70.52億円-3.1%-3.1%86.4%0.0%赤字・財務耐久力確認2025-08-31
31シーディーシー21.60.63億円8.5%4.5%45.6%53.1%バランス型2025-09-30
32加能技研14.51.10億円5.9%0.4%6.6%6.2%収益力に注意2026-03-31
33水文測量14.10.55億円11.8%4.2%16.1%35.2%バランス型2026-03-31

上位会社の見方

  1. 1位 石川都市開発:売上4.66億円、営業利益率35.0%、純利益率25.4%、自己資本比率84.6%で、今回の配点では最もバランスが良い。
  2. 2位 テクノマップ:営業利益率37.2%に加え、自己資本比率78.4%。収益性と財務安全性の両方が高い。
  3. 3位 太陽測地社:営業利益率30.5%に加え、自己資本比率85.6%。収益性と財務安全性の両方が高い。
ランキングの読み方: 測量会社では、売上規模が小さくても高利益率・高自己資本比率の会社が上位に入ります。 これは少人数の技術者を中心とした事業構造を反映している可能性があります。 一方、建コンでは大規模案件への対応力、地質では機械・現場体制を含む事業継続力も重要です。
単年度ランキングの限界: 今回の順位は、原則として各社の1期分の決算だけを使った比較です。 能登半島地震後は、復旧・復興業務の受注増、災害対応による一時的な高稼働、 大型案件の完成時期などによって、売上高や利益率が通常年度より大きく動く可能性があります。 したがって、今回の高利益が恒常的な収益力なのか、震災復興需要による一時的な増益なのかを 判断するには、少なくとも3~5期分の売上高、営業利益、純利益、営業利益率、 自己資本比率を並べて推移を見る必要があります。 複数年で安定して利益を確保している会社と、特定年度だけ急増した会社では、 同じ総合点でも評価の意味が異なります。

6.環境分析・計量・土壌・温泉分野

主な基準日:環境計量証明は2026年1月27日、土壌汚染指定調査機関は2026年6月30日、温泉分析は2025年8月。
17環境計量証明事業所
会社単位では16社
9石川県環境計量協会会員
7作業環境測定機関
7土壌汚染指定調査機関
4温泉登録分析機関
分野内容県内件数基準日
環境計量証明・濃度大気、水、土壌の濃度測定・分析17事業所2026年1月27日更新
音圧・振動計量証明騒音、振動の法定計量証明県一覧あり2026年1月27日更新
作業環境測定粉じん、特定化学物質、鉛、有機溶剤など7機関2024年1月31日現在
土壌汚染指定調査土地履歴、試料採取、土壌・地下水評価7機関2026年6月30日現在
温泉成分分析温泉分析書の発行4機関2025年8月現在

分析会社は売上高だけでは比較しにくく、保有する登録、測定項目、分析設備、精度管理、納期などを見る必要があります。 震災復旧では、解体時のアスベスト、土壌・地下水、廃棄物、騒音・振動などの需要がありましたが、 公費解体の終了に伴って解体関連の分析需要は縮小し、今後は復興工事や施設再建に伴う環境管理へ比重が移ると考えられます。

7.震災前後の石川県の投資的経費

ここでいう金額は発注済額ではありません。 県内の建設需要を年ごとに比べるため、石川県一般会計の当初予算にある 「投資的経費」と「災害復旧事業」を代替指標として使用しています。 国直轄、市町、民間工事は含まれないため、県内全体の工事量はこれより大きくなります。
石川県当初予算の投資的経費・災害復旧事業投資的経費災害復旧事業01,0002,0003,0004,0005,0001,022672023年度(震災前)4,5423,4132024年度2,8661,7182025年度2,8261,9432026年度億円県一般会計の当初予算。実際の発注済額・契約額ではない。
年度投資的経費うち災害復旧事業見方
2023年度(震災前)1,021.98億円66.81億円基準となる震災前年度
2024年度4,542.43億円3,412.61億円地震対応で投資的経費が約4.4倍
2025年度2,865.98億円1,718.00億円当初予算ベース。実質当初予算は別途3,621.55億円
2026年度2,825.72億円1,942.51億円総額は横ばい、災害復旧は前年度比13.1%増

震災前の2023年度は投資的経費が約1,022億円でしたが、地震直後の2024年度は約4,542億円に急増しました。 2025年度と2026年度は約2,800億円台まで減っていますが、それでも震災前の約2.8倍です。

特に災害復旧事業は、2023年度の約67億円から2024年度には約3,413億円へ増加しました。 2026年度も約1,943億円が計上され、2025年度より13.1%増えています。 つまり、ピーク時より総量は減ったものの、2026年度時点でも復旧工事は非常に大きな規模です。

8.熊本地震後の復旧・復興予算はどう減ったか

比較対象:熊本県一般会計に計上された「熊本地震関連予算」 または「熊本地震からの創造的復興分」。発災年度から2024年度までの公表値を整理。

能登の今後を考える参考として、2016年4月の熊本地震後に熊本県の復旧・復興予算が どのように減っていったかを確認しました。 その前提として、まず地震前の通常の県予算規模を確認します。

熊本地震前の通常予算はどの程度だったか

震災前の基準:2015年度(平成27年度)当初予算。 2016年度当初予算は4月の地震前に成立していましたが、知事改選に伴う骨格予算だったため、 通常年度との単純比較には注意が必要です。
年度・時点一般会計当初予算投資的経費熊本地震関連予算見方
2015年度(震災前の通常年度)7,538億円1,354億円0円震災前の通常規模を示す基準
2016年度当初(地震発生前)6,878億円630億円0円知事改選による骨格予算。普通建設事業は概ね4~5割だけを計上
2016年度(発災後の累計)補正後に大幅拡大5,323億円地震対応分だけで震災前の年間投資的経費の約3.9倍
1,354億円2015年度の投資的経費
震災前の通常年度
5,323億円2016年度の熊本地震関連予算
約3.9倍地震関連予算÷震災前の投資的経費
7,538億円2015年度一般会計当初予算
比較上の注意: 「投資的経費」は道路・河川・施設整備などの建設的支出、 「熊本地震関連予算」は生活支援、産業支援、インフラ復旧などを含む地震対応全体です。 定義が異なるため、約3.9倍という数字は市場規模の厳密な倍率ではなく、 地震対応が平常時の公共投資を大きく上回ったことを示す目安です。
熊本地震関連・創造的復興予算の推移0億円1,332億円2,665億円3,998億円5,330億円2016年度5,323億円2017年度1,728億円2018年度1,226億円2019年度761億円2021年度333億円2022年度224億円2023年度151億円2024年度120億円2020年度は骨格予算のため同一定義の年額をグラフから除外
年度熊本地震関連予算内容
2015年度(震災前)0円地震発生前のため地震関連予算はなし。投資的経費は1,354億円
2016年度(発災年度)5,323億円2月補正までを含む熊本地震関連予算
2017年度1,728億円復旧・復興を迅速に推進
2018年度1,226億円社会・産業インフラ復旧を継続
2019年度761億円復興事業が段階的に縮小
2020年度比較対象外知事改選に伴う骨格予算で、同じ定義の年額を使用しにくい
2021年度333億円熊本地震からの創造的復興分
2022年度224億円熊本地震からの創造的復興分
2023年度151億円熊本地震からの創造的復興分
2024年度120億円熊本地震からの創造的復興分
2025年度以降個別継続益城町の土地区画整理など、残る大型事業は終盤

熊本では発災年度に5,323億円を計上した後、翌年度は1,728億円、 2年後は1,226億円、3年後は761億円へ減りました。 2021年度以降は333億円、224億円、151億円、120億円と、 8年ほどかけて段階的に縮小しています。

能登への示唆: 熊本の例では、発災直後の巨額予算がそのまま続いたわけではありません。 住宅再建や応急復旧が終わると、予算は減り、 土地区画整理や道路など残った大型事業へ集中していきました。 能登でも、2024年度の急増が数年かけて縮小していく可能性が高いと考えられます。

9.奥能登の人口減少はどれほど深刻か

地域:輪島市・珠洲市・穴水町・能登町の2市2町  / 最新値:2026年4月1日推計
44,261人2026年4月の奥能登人口
▲28.3%2019年10月からの減少率
県土27%石川県全体に占める面積
人口4.1%石川県全体に占める人口
奥能登4市町の人口推移4.0万人4.5万人5.0万人5.5万人6.0万人6.5万人61,717人2019年10月51,299人2024年10月44,261人2026年4月2019・2024年は石川県統計の10月1日推計、2026年は4月1日推計。
市町2019年10月2024年10月2026年4月2019→2026減少率面積
輪島市24,851人20,041人17,403人▲30.0%429.13km²
珠洲市13,166人10,738人8,027人▲39.0%248.92km²
穴水町7,897人6,918人6,433人▲18.5%183.16km²
能登町15,803人13,602人12,398人▲21.5%273.28km²
奥能登合計61,717人51,299人44,261人▲28.3%1,134.49km²

奥能登4市町の人口は、2019年10月の6万1,717人から、 2024年10月には5万1,299人、2026年4月には4万4,261人まで減っています。 約6年半で1万7,456人、率にして28.3%の減少です。

特に珠洲市は2019年から39.0%減、輪島市は30.0%減です。 2024年10月から2026年4月までの約1年半だけでも、 奥能登全体で7,038人、13.7%減っており、 地震と豪雨後の域外避難・転出が従来の人口減少を加速させた可能性があります。

面積は石川県の約27%を占めますが、人口は県全体の約4.1%です。 現在の人口密度は約39人/km²で、道路、水道、下水道、医療、学校などを 広い地域に維持する1人当たりの負担が大きくなっています。

2050年には奥能登4市町で約2万5,700人まで減る公式推計

推計:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」  / 公表:2023年12月  / 基準:2020年国勢調査
61,114人2020年国勢調査
奥能登4市町合計
44,261人2026年4月実績
25,739人2050年公式推計
▲57.9%2020年から2050年の減少率
奥能登4市町の人口:2020年・2026年実績・2050年推計2020年国勢調査2026年実績2050年推計0.0万人0.5万人1.0万人1.5万人2.0万人2.5万人2.46万1.74万1.08万輪島市1.29万0.80万0.51万珠洲市0.79万0.64万0.37万穴水町1.57万1.24万0.62万能登町2050年は社人研の令和5(2023)年推計。2020年国勢調査を基準とし、2024年の能登半島地震・豪雨は反映していない。
市町2020年2026年実績2050年推計2020→20502026→20502050年65歳以上割合
輪島市24,608人17,403人10,754人▲56.3%▲38.2%55.3%
珠洲市12,929人8,027人5,083人▲60.7%▲36.7%61.8%
穴水町7,890人6,433人3,729人▲52.7%▲42.0%56.3%
能登町15,687人12,398人6,173人▲60.6%▲50.2%62.9%

社人研の推計では、奥能登4市町の人口は2020年の6万1,114人から、 2050年には2万5,739人へ減少します。2020年比では42.1%が残り、 57.9%が減る計算です。

2026年4月の実人口4万4,261人と比べても、2050年までにさらに1万8,522人、 41.8%減る見通しです。市町別では、2050年に輪島市1万754人、 珠洲市5,083人、穴水町3,729人、能登町6,173人と予測されています。

2050年は「人口が減る」だけでなく、働く世代がさらに薄くなる

年齢区分2050年推計人口構成割合
0~14歳1,431人5.6%
15~64歳9,230人35.9%
65歳以上15,078人58.6%

奥能登4市町を合計すると、2050年は65歳以上が約58.6%、 15~64歳が約35.9%、14歳以下が約5.6%になる計算です。 珠洲市と能登町では65歳以上が6割を超える推計で、 医療・介護需要に対して、交通、商業、除雪、インフラ維持などを担う働き手が 大きく減ることが課題になります。

推計を見る際の重要な注意: この2050年推計は2020年国勢調査を基に2023年12月に公表されたもので、 2024年の能登半島地震、その後の豪雨、広域避難、住宅再建の遅れは反映されていません。 震災後の人口流出が長期化すれば、実際の2050年人口はこの推計より少なくなる可能性があります。 一方、帰還や移住が進めば差が縮まる可能性もあり、震災後データによる再推計が必要です。

2020~2050年の人口ピラミッド動画

動画の保存先: 以前作成した人口サイトと同じGitHub Pagesを使用しています。 動画は https://eronex1181.github.io/noto-map/ishikawa-population/videos/ 以下のMP4ファイルから直接再生します。

石川県19市町の動画一覧と連続再生は、以前作成した人口サイトで確認できます。 今回の記事では、人口減少を取り上げている奥能登4市町の動画を個別に掲載しています。

石川県19市町の人口サイトを記事内で表示
輪島市:2020~2050年の人口ピラミッド動画
珠洲市:2020~2050年の人口ピラミッド動画
穴水町:2020~2050年の人口ピラミッド動画
能登町:2020~2050年の人口ピラミッド動画
動画の2025~2050年部分は社人研の令和5年推計を基にした将来予測で、実績値ではありません。 また、この推計には2024年の能登半島地震と、その後の避難・転出は直接反映されていません。

住民票人口より、実際に奥能登で生活している人は少ない可能性がある

ここまでの人口は、石川県が公表する推計人口です。 行政人口としては重要な数字ですが、毎晩その地域で生活している 「実居住人口」を直接数えたものではありません。 能登半島地震後は、住民票を奥能登に残したまま、 金沢以南や県外で生活している人が一定数いると考えられます。

統計に表れにくい居住形態実際に起きていること・考えられること
県内外の親族宅・民間住宅への避難避難所を利用せず、親族宅、自宅以外の住宅、車中などで生活する被災者は、県が別途情報登録を求める対象となった
金沢以南・県外への二次避難ホテル、旅館、民泊や県外公営住宅への避難支援が行われ、住民票所在地と実際の居所が分かれる場合がある
みなし仮設住宅被災元市町外の民間賃貸住宅に住みながら、住民票や生活再建の基盤を元の市町に残す世帯があると考えられる
親子・世帯の分離働く人は奥能登、子どもや高齢者は金沢方面など、同じ世帯でも複数地域に分かれて生活する場合がある
市外の保育・学校利用輪島市では、市内園に在籍したまま、市外の園を利用する被災児童への特例が2026年度末まで続いている
二地域居住・時々帰還平日は避難先、週末は能登、復旧工事や家の管理のため定期的に戻るなど、居住の判定が難しいケースがある
正確な人数は分かっていません。 石川県自身も、広域避難者や避難所以外の被災者について、 「現在の居所等の把握が困難」として広域被災者データベースを整備しています。 2026年になっても広域避難者向けの情報発信や、 みなし仮設住宅の入居期間延長が続いていることから、 住民票人口と実際の居住人口のずれは解消していないと考えられます。

輪島市では、実質人口が住民票人口よりさらに少ないとの現地推計もある

経済産業研究所の2025年の現地調査報告では、 輪島市の住民票上の人口は地震前より12.6%減っていた一方、 住民票を置いたまま二次避難している人を含めると、 実際の人口は地震前から3割程度減少した可能性があると推測しています。 これは公式統計ではなく現地調査に基づく推計であり、 奥能登全体へそのまま当てはめることはできません。 それでも、住民票人口だけで水道需要、学校規模、商圏、公共交通を計画すると、 実際の利用量を過大に見積もる恐れがあることを示しています。

一方で、昼間人口は復旧工事関係者によって増えている

奥能登では復旧工事関係者向けの仮設宿泊所が整備され、 能登空港周辺などで多数の工事関係者が生活しています。 そのため、住民人口は減っていても、工事期間中の昼間人口や宿泊人口、 飲食・交通・廃棄物・水利用は一時的に増える場所があります。 つまり現在の奥能登は、 住民は減る一方、復旧工事のための一時人口が増えるという特殊な状態です。

将来の施設規模は、住民票だけでなく複数データで決める必要がある

上下水道の実使用量 電力・ごみ排出量 携帯電話位置情報 学校・保育の実利用者 医療・介護の利用実績 仮設住宅の所在 帰還・住宅再建意向 季節人口・工事関係者

復興公営住宅、上下水道、学校、診療所、公共交通などの規模を考える際は、 住民票人口だけでなく、実際の利用量と帰還意向を合わせる必要があります。 特に広域避難者が将来どこに定住するかが決まるまでは、 人口統計には大きな不確実性が残ります。

社人研の2023年推計は、震災前の2020年国勢調査を基に、 奥能登4市町の人口が2050年に合計約2万5,700人まで減る姿を示していました。 震災後の実際の人口減少は、この推計より速く進む可能性があるため、 今後の復興計画は人口の再推計を前提に見直す必要があります。

10.人口が減る奥能登へ投資する意味はあるのか

人口だけを見れば、壊れた施設をすべて元と同じ場所・同じ規模で復旧することは、 将来の維持管理費を考えると効率が悪くなる可能性があります。 ただし、だからといって復旧投資に意味がないわけではありません。

投資する意味注意すべき点
住民の生命・生活を守る道路、水道、医療、通信は人口規模だけで切れないすべてを被災前と同じ規模・配置で再建すると維持費が重くなる
道路・港湾・河川・砂防は、漁業、農林業、観光、国土保全にも必要利用量の少ない末端施設まで一律に高規格化する必要はない
孤立防止や避難路の強化は、次の災害時に人命を守る危険区域に住宅や公共施設をそのまま戻すと再被災リスクが残る
復興投資が地域の雇用や事業再開を支える工事終了後にも維持できる産業・雇用へつなげる必要がある
文化、祭り、景観、集落のつながりは金額だけでは評価できない住民の帰還意向が低い地域では合意形成と集約化が必要

必要なのは「復旧しない」ではなく「縮小を前提に賢く復旧する」こと

幹線道路・主要港湾は強靱化 集落内道路は優先順位付け 上下水道の小規模化・統合 危険区域からの移転 拠点への住宅・医療集約 オンデマンド交通 遠隔監視・省人化 分散型電源・通信

復興投資の評価は、工事費だけではなく、完成後30~50年間の維持費、 災害時の孤立防止効果、地域産業、住民の帰還意向を含めるべきです。 特に上下水道、公共施設、集落道路は、人口5万人台を前提に戻すのではなく、 4万人台、さらにその先の人口を前提として規模を決める必要があります。

結論: 安全確保と生活再建に必要な投資は行うべきですが、 2050年に奥能登4市町で約2万5,700人となる公式推計や、震災後の実居住人口も踏まえると、人口減少を無視した「原形復旧だけ」では将来負担が残ります。 幹線インフラは強く復旧し、居住・公共サービスは拠点へ集約する、 という選択と集中が重要です。

11.復興需要はいつまで続くのか

「一気にバブルがはじける」というより、仕事の種類が変わりながら縮小する可能性が高い

2024年度の投資的経費約4,542億円をピークとすると、2026年度は約2,826億円で約38%減っています。 すでにピークアウトは始まっていますが、震災前の約1,022億円と比べれば、まだ約2.8倍です。 この数字から見る限り、2026年度に急に通常水準へ戻る状況ではありません。

一方、公費解体は大規模建物などを除き2025年12月末までに完了し、 災害廃棄物処理も2026年3月までの完了が目標とされました。 そのため、解体、運搬、仮置場、災害廃棄物処理の仕事は急速に減ると考えられます。

今後は、応急復旧や解体から、道路・河川・砂防・海岸・港湾・上下水道の本復旧、 復興公営住宅、まちづくり、公共施設再建へ中心が移ります。 国の能登復興事務所も、河川、砂防、海岸、道路、上下水道を所管事業として継続しています。

2026年度の特徴: 中能登・奥能登では復興歩掛が導入されました。施工条件の悪さ、資材・労務の確保、移動や宿泊などの負担が続いていることを示します。 工事量が減っても、単価や施工難度はすぐには通常化しない可能性があります。

想定される流れ

時期中心となる仕事市場の見方
2024~2025年度応急復旧、公費解体、災害廃棄物、仮復旧、被害調査非常に急激な需要増
2026~2028年度頃道路・河川・砂防・港湾・上下水道の本復旧、住宅・まちづくり高水準を保ちつつ、分野ごとの差が拡大
その後維持管理、補修、再度災害防止、人口減少に合わせた施設再編震災前方向へ縮小。ただし防災・維持管理は残る
上の時期区分は予算と公表されている事業内容から見た概略です。 災害復旧工事は用地、設計変更、資材、人員、天候、豪雨などで遅れるため、終了時期を断定することはできません。

12.今後増えそうな仕事

1.道路・橋梁・斜面の本復旧と防災

国道249号、能越自動車道、県道、市町道では、仮復旧から恒久復旧へ移ります。 盛土、擁壁、橋梁、トンネル、地すべり、落石、斜面安定の調査・設計・施工管理が続きます。 地質調査、ボーリング、地すべり観測、地下水調査の需要も残ります。

2.河川・砂防・海岸・港湾

地震による地盤変動に加え、2024年の奥能登豪雨で河川・土砂災害が重なりました。 河道復旧、護岸、砂防堰堤、流域対策、地すべり、海岸保全、輪島港などの復旧・強靱化が重要になります。 単なる原形復旧だけでなく、次の豪雨や地震を想定した再度災害防止の設計が増えると考えられます。

3.上下水道の再構築

能登では上下水道の被害が大きく、国も自治体への技術支援を継続しています。 管路更新、耐震化、施設統廃合、浄水・処理施設、漏水調査、地盤変状を考慮した設計などが長期的な仕事になります。 人口減少地域なので、元の規模に戻すだけでなく、将来人口に合わせた施設再編が必要です。

4.復興公営住宅・宅地・まちづくり

県内9市町で復興公営住宅の整備が進んでいます。 住宅建設だけでなく、造成、道路、排水、擁壁、宅地安全性調査、土地区画整理、中心市街地や集落の再編、 公共施設の再配置など、測量・設計・補償・地質・施工管理が一体となった仕事が増えます。

5.測量・3D・GIS・UAV・維持管理データ

広範囲の被災地では、UAV、レーザー測量、点群、三次元設計、GIS、工事進捗管理が有効です。 復旧後も、補修履歴や変状を継続的に管理するため、インフラ台帳、定期点検、モニタリング、デジタルツインに近い業務が残ります。

6.環境・土壌・水質・騒音振動

公費解体に伴うアスベスト需要は縮小しますが、造成、施設再建、廃棄物処理跡地、港湾、上下水道工事に伴う 土壌・地下水・水質、騒音・振動、作業環境の測定は続きます。 復興後は通常の環境管理、工場・水道・温泉・土壌汚染分野へ戻っていくと考えられます。

7.維持管理と人手不足への対応

復旧した構造物も、供用後の点検・補修が必要です。新設工事が落ち着いた後は、橋梁、道路、河川、砂防、上下水道の 維持管理へ仕事が移ります。人口減少と技術者不足が続くため、省人化、自動計測、遠隔監視、AI画像判定などの需要も増えそうです。

13.まとめ

127国交省3登録を統合した会社数
重複除外建コン→地質→測量の順に協会会員を除外
約4.4倍2024年度投資的経費の震災前比
▲28.3%奥能登人口の2019→2026年減少率

石川県の建設関連市場は、2024年度の急激なピークからは下がっていますが、2026年度も震災前を大きく上回っています。 公費解体や災害廃棄物の仕事は終息へ向かう一方、本復旧、住宅、まちづくり、上下水道、道路、砂防、港湾などは今後も続きます。

協会別の総合評価では、売上高だけでなく、営業利益率、純利益率、自己資本比率を組み合わせることで、規模と収益性・安全性を分けて確認できます。ただし1期分の相対評価であることに注意が必要です。

したがって、「復興バブルが突然終わる」というより、量が徐々に減りながら、応急対応から本復旧・維持管理へ仕事が入れ替わる と見るのが自然です。会社を見る際も、売上高だけではなく、利益率、自己資本、技術者、複数分野への対応力を合わせて見る必要があります。

財務ランキングは会社全体の数字です。公共事業のグラフは県の当初予算であり、発注済額・落札額ではありません。 将来見通しは公表予算と復旧計画からの推測を含みます。

参考にした主な公開情報

  1. 国土交通省:建設関連業の登録業者に関する情報提供システム(2026年7月9日更新)
  2. 石川県測量設計業協会:会員名簿(2026年4月現在)
  3. 石川県地質調査業協会:会員名簿
  4. 建設コンサルタンツ協会北陸支部:会員名簿
  5. 石川県:環境計量証明事業者一覧(2026年1月27日更新)
  6. 石川労働局:作業環境測定機関名簿(2024年1月31日現在)
  7. 環境省:土壌汚染対策法の指定調査機関(石川県)(2026年6月30日現在)
  8. 環境省:温泉法に基づく登録分析機関一覧(2025年8月現在)
  9. 石川県:令和5年度当初予算概要
  10. 石川県:令和6年度当初予算概要
  11. 石川県:令和7年度当初予算概要
  12. 石川県:令和8年度当初予算概要
  13. 北陸地方整備局:能登復興事務所
  14. 国土交通省:能登半島地震からの復旧・復興状況と今後の見通し(2026年6月末時点)
  15. 環境省:公費解体の進捗(2026年1月16日)
  16. 石川県:中能登・奥能登の復興歩掛(2026年6月4日更新)
  17. 石川県:復興公営住宅の整備状況(2026年6月30日時点)
  18. 熊本県:平成29年度当初予算(発災年度5,323億円・2017年度1,728億円)
  19. 熊本県:平成30年度当初予算(2018年度1,226億円)
  20. 熊本県:平成31年度当初予算(2019年度761億円)
  21. 熊本県:令和3年度当初予算(2021年度333億円)
  22. 熊本県:令和4年度当初予算(2022年度224億円)
  23. 熊本県:令和5年度当初予算(2023年度151億円)
  24. 熊本県:令和6年度当初予算(2024年度120億円)
  25. 石川県:奥能登管内の状況(2026年4月1日人口)
  26. 石川県:令和7年版石川県統計(2019・2024年人口比較)
  27. 国立社会保障・人口問題研究所:地域別将来推計人口(令和5年推計)
  28. 熊本県:平成28年度当初予算の概要(震災前の2015年度一般会計7,538億円・投資的経費1,354億円、2016年度骨格予算)
  29. 石川県:避難所以外で避難生活を送る方の情報登録
  30. 石川県:広域被災者データベース・システムの整備
  31. 石川県:広域避難者向け情報発信(2026年6月24日)
  32. 輪島市:避難先での保育(市内園に在籍したまま市外園を利用する特例)
  33. 経済産業研究所:能登の復旧と復興を支援する視点(住民票を残した二次避難者を含む実質人口の考察)
  34. 石川県:復旧工事関係者向け仮設宿泊所
  35. 国立社会保障・人口問題研究所:日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)(2020~2050年、5年ごとの推計)
  36. 石川県19市町の人口・税収・地域特性まとめ(人口ピラミッド動画を掲載)

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