岐阜県の建設コンサル・地質・測量会社を販管費・売上原価・利益構造で比較【2026年7月版】

2026年9月26日再点検|財務の出典データは9月9日更新

岐阜県の建設コンサル・地質・測量会社を販管費・売上原価・利益構造で比較【2026年9月更新】

岐阜県内の協会会員を中心に42社を選び、会社全体の売上・原価・販管費・利益・自己資本を同じ式で比較した。県の9月補正予算案と令和7年度の低入札価格調査も確認した。

今回の見直し:売上高が7月掲載値から変わった8社を更新。42社の全比率と売上順位を再計算し、原価額から「効率」、販管費から「経営不安」、利益率から「利益の使途」を決めつける評価を外した。

1.対象と計算方法

会社名と比較区分は7月版で照合した各協会会員名簿を引き継ぎ、財務値だけを国土交通省の建設関連業企業要覧(2026年9月9日更新)に再照合した。建コン協会16社、地質協会3社、測量協会23社を重複させずに表示する。協会は任意加入であり、登録事業者全体を代表する標本ではない。

県内に主たる営業所を置く登録は建設コンサルタント53、地質調査14、測量136の計203登録。会社名を統合すると143法人。登録は複数保有でき、上の42社とは範囲が異なる。国交省の公開データは登録書面の二次情報であり、会社全体の財務であって当該業務部門だけの収支ではない。各社の決算日も異なる。

売上原価=売上高−売上総利益、原価率=売上原価÷売上高、販管費率=販管費÷売上高、営業利益率=営業利益÷売上高、純利益率=当期純利益÷売上高、自己資本比率=純資産÷総資産。集計の「加重」は各社の額を合算してから売上高合計で割り、「中央値」は各社の率を並べた中央の値。表示は億円で小数第2位、率で小数第1位に丸めた。計算には円単位の値を使っているため、表示額の差し引きと0.01億円ほどずれる場合がある。

※三進は要覧上の事業年度が2025年4月1日~9月30日の6か月。年間売上と横並びにした規模順位には注意が必要。ゼロや空欄は元資料の記載仕様にも注意し、個別の経営判断には原資料・複数期の確認が必要。

2.岐阜県の業界構造:42社の集計

区分社数売上計(億円)原価率(加重)販管費率(加重)営業利益率(加重)営業利益率(中央値)
建コン協会16256.4569.9%22.1%8.0%6.1%
地質協会35.1544.6%56.6%-1.2%-4.4%
測量協会2339.7052.6%39.2%8.2%3.6%

建コン協会16社の売上合計は256.45億円、営業利益率は売上加重で8.0%。地質協会の3社は標本が小さく、合計営業利益は約▲0.06億円。測量協会23社は会社間の規模や利益率の幅が大きい。業種間の差は案件構成や兼業、決算期間の違いを含むため、効率の優劣を示さない。

3.会社別財務一覧(区分内は売上順)

金額は会社全体・各社の直近掲載決算。横にスクロールして見られます。「※」は通常と異なる決算期間。

建コン協会:16社

売上順会社名決算日売上(億円)原価(億円)販管費(億円)営業益(億円)営業益率純益率自己資本比率
1大日コンサルタント株式会社2026-03-3167.8650.0112.795.067.5%4.6%86.8%
2株式会社テイコク2025-07-3148.5337.059.092.394.9%3.1%67.8%
3株式会社イビソク2025-06-3040.0126.158.175.6914.2%9.5%67.4%
4株式会社三栄コンサルタント2025-09-3017.2912.273.911.116.4%6.5%53.3%
5大同コンサルタンツ株式会社2025-05-3116.9912.104.230.663.9%3.6%81.2%
6株式会社ユニオン2026-03-3115.4110.703.301.429.2%5.9%59.6%
7株式会社メイホーエンジニアリング2025-06-3014.029.312.502.2015.7%21.1%55.7%
8株式会社興栄コンサルタント2025-08-3112.458.223.750.473.8%2.4%51.5%
9株式会社朝日設計コンサルタント2025-09-306.843.283.420.142.1%4.3%4.3%
10株式会社三進※2025-09-304.903.430.760.7114.5%9.9%93.2%
11株式会社飛州コンサルタント2025-05-313.292.030.990.267.9%7.0%82.5%
12株式会社地域コンサルタント2025-06-302.671.660.890.114.2%1.1%74.7%
13株式会社東海プランニング2025-08-312.541.011.480.052.0%0.1%33.1%
14株式会社野田コンサルタント2025-05-312.061.320.740.000.2%0.3%82.4%
15ダイシンコンサルタント株式会社2025-05-310.830.370.410.055.8%0.3%11.6%
16株式会社光測量コンサルタント2025-09-200.770.410.300.056.8%6.2%73.3%

地質協会:3社

売上順会社名決算日売上(億円)原価(億円)販管費(億円)営業益(億円)営業益率純益率自己資本比率
1株式会社総合開発調査2025-07-311.820.980.740.105.4%5.6%42.9%
2株式会社岐阜ソイルコンサルタント2025-09-301.801.210.69-0.09-5.2%-0.3%17.8%
3株式会社東海テクノス2025-07-311.530.101.49-0.07-4.4%-2.9%-4.4%

測量協会:23社

売上順会社名決算日売上(億円)原価(億円)販管費(億円)営業益(億円)営業益率純益率自己資本比率
1株式会社GHK2026-03-315.703.012.110.5810.2%7.2%45.8%
2株式会社創信2025-07-315.092.721.231.1422.4%16.8%94.5%
3株式会社大興計測技術2025-06-303.790.883.02-0.11-3.0%5.6%90.8%
4大紘ジオテクノ株式会社2026-04-303.492.470.820.216.0%5.3%23.8%
5株式会社トライ2026-03-313.161.640.920.6119.2%18.2%32.5%
6株式会社斐太プランニング2026-03-312.000.121.200.6833.9%23.6%90.9%
7有限会社大矢コンサルタント2026-05-311.591.050.520.021.2%1.1%68.6%
8中野測量設計株式会社2025-09-301.571.170.380.021.6%0.5%18.3%
9株式会社相和コンサルタント2026-05-311.530.640.670.2113.9%8.0%58.3%
10中央エンジニアリング株式会社2025-07-311.421.170.45-0.21-14.8%-14.8%94.3%
11エヌティ測量設計株式会社2025-04-301.400.530.92-0.06-4.0%-4.3%53.3%
12大建測量設計株式会社2025-09-301.150.790.250.119.5%6.6%87.9%
13株式会社共栄コンサルタント2025-06-301.120.620.480.010.9%-0.3%42.9%
14有限会社沖下測量2026-03-311.090.540.410.1412.8%10.8%98.8%
15大井調査設計株式会社2026-04-301.010.350.490.1616.4%12.9%63.6%
16株式会社南出測量設計2025-06-301.000.580.56-0.15-14.7%-13.7%55.1%
17株式会社飛建測量企画2026-03-310.850.430.260.1619.0%7.0%42.2%
18株式会社中日コンサルタント2025-10-310.820.590.190.045.3%0.7%5.4%
19株式会社北辰測量設計2025-08-310.600.530.14-0.07-11.3%-12.3%35.6%
20株式会社カワセ測量設計2025-07-310.490.410.18-0.09-18.4%-16.1%80.1%
21株式会社田原コンサルタント2025-06-300.410.290.20-0.08-19.3%0.0%-105.4%
22有限会社東濃技研2026-03-310.280.330.04-0.09-32.9%-9.0%100.0%
23大高理工株式会社2025-05-310.140.020.120.013.6%0.1%100.0%

4.7月掲載値から変わった会社

元記事に載っていた売上高を、今回の企業要覧の値と照合した。以下は掲載データの更新差分であり、同一会計期間の前年同期増減ではない。

会社7月版の掲載売上9月版の掲載売上
大日コンサルタント株式会社70.28億円67.86億円
株式会社ユニオン13.98億円15.41億円
株式会社GHK4.35億円5.70億円
大紘ジオテクノ株式会社2.51億円3.49億円
株式会社斐太プランニング1.88億円2.00億円
有限会社大矢コンサルタント1.70億円1.59億円
株式会社相和コンサルタント1.46億円1.53億円
大井調査設計株式会社0.87億円1.01億円

例として、大日コンサルタントは70.28→67.86億円、ユニオンは13.98→15.41億円、GHKは4.35→5.70億円。その他の売上表示が同じ会社も、財務比率は最新データに基づき再算出した。

5.県予算:9月補正案で確認できる仕事の背景

令和8年度当初予算に加え、9月補正予算の提出予定議案を確認した。県の事業概要資料では道路・河川・砂防施設の防災減災対策23.57億円、老朽インフラの安全対策40.43億円、合計64億円の枠を示す。資料の主な使途は工事請負費54.577億円、委託料3.393億円などであり、64億円をそのまま調査・測量・設計市場の売上とみなせない。議会提出予定の予算案であり、発注・契約済みを意味しない。

対象例には緊急輸送道路の斜面対策、河川の護岸、砂防施設の保全がある。これらの事業では現地測量、地質確認、設計や施工段階での観測が必要になり得る。ただし実際の発注品目、時期と県内企業への配分は個別公告で確かめる必要がある。

6.低入札価格調査:件数と比率の意味

岐阜県の低入札価格調査結果の建設コンサルタント業務等について、令和7年度の公表一覧は通し番号「07 268」まで掲載している。元記事で挙げた令和5年度93件、令和6年度180件に続くが、これは調査対象として一覧に載った件数である。全発注件数や全入札に占める割合ではない。

令和7年度の公表例では、砂防基礎調査等の最低入札価格が予定価格の72.2%という案件もある。個別案件の比率を市場全体の「平均落札率」へ拡張せず、低価格入札の有無、調査後の契約者、予定価格の制度を案件単位で見るべきだ。

7.利益構造をどう読むか

営業利益=売上高−売上原価−販管費。売上原価率の高さは外注・人件費・測量や調査の実施形態を含み、原価率だけでは非効率といえない。販管費率も営業、採用、教育、拠点費用などの計上区分に左右される。自己資本比率は財務の一面だが、手元資金・借入返済・受注残高を示さない。

したがって、7月版の「総合点」と利益の使い方を推測する独自ランキングは廃止した。今回の表は売上高の順序だけを示し、業績や働き方の優劣は付けない。会社を検討する際は少なくとも複数年度、技術者数、受注単価、外注比率、案件別採算、資金繰りを合わせて確認したい。

参考にした公開情報

確認日:2026年9月26日。この記事の集計・解釈は公開資料から筆者が作成。各社の提出書面そのもの、会計監査資料、入札の全母集団を検証したものではない。

コメント

このブログの人気の投稿

IJCAD(AutoCAD互換CAD) コマンド早見表

設計定数を求めるための代表N値について

WEB地図(国土地理院など)のズームレベルについて